【実はめっちゃ楽!】トラックドライバーの仕事は何がキツイ?リアルな実態を解説!
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- 運転は好きだけど大きなトラックを運転するのはきついんじゃないか?
- 大きな事故を起こしがちで危険な仕事じゃないの?
- 労働時間も長いし休日も少なくてきついんでしょ?
- 休憩なして働きづめなんでしょう?
- 重い荷物を積み込んで体力的にきついんじゃないか?
- 急いで荷物を届けなければならないからストレスが半端なさそう。
- 体力仕事だから年をとるとがきつくなるんじゃないか?
- 仕事のきつさと給料が見合ってないんじゃないの?
- トラックドライバーが年中募集されているのは仕事がきつくてすぐにやめていくからじゃないのか?
- トラックドライバーはきついばかりでやりがいのない仕事じゃないの?
ドライバーが気になっているけど、上に書いてあるような評判が気になり二の足を踏んでいる方も多くいるのではないでしょうか。結論から言うと、トラックドライバーは少しばかりきついけれども、社会的なやりがいと収入面のメリットのあるお勧めの仕事です。
確かに、トラックドライバーの仕事は、長時間の運転やルートの計画、貨物の積み込み・降ろしなど、さまざまな業務が求められ、きついと感じる人も少なくありません。
本記事では、トラックドライバーの仕事について、労働時間やストレス、収入など、リアルな情報を解説します。
- 筋力、体力は必要だが女性でもできるレベル
- 労働時間は削減傾向、残業したいドライバーのほうが多い
- 給料を稼ぐために休憩をとらないドライバーがいて困っている
- 未経験者でも乗務できるように研修が充実している
- 安全教育が徹底しているから事故は少ない
- 定年後もトラックに乗れるが集配ドライバーは体力が厳しくなる
- トラックを降りても仕事はある
- 路線便ドライバーなら再配達はほとんど無く、ストレスも少ない
- ドライバーをやめたほとんどの人がまたドライバーになる
- 年収500万円程度なら普通に可能
- トラック運送は社会に必要なインフラで、誇りある仕事
現在、従業員が3,000人程度の運送業で採用担当の仕事をしています。
詳しいプロフィールはこちらです。
毎日100人以上のトラックドライバーを相手に仕事をしているので、彼らのリアルな働き方を解説していきます。
トラックドライバーに筋力は不要、女性も活躍している
長距離運転のドライバーは、ほとんど筋力不要
長距離ドライバー(特に大型)はほとんど筋力を必要としません。トラックドライバーの全業種の中でも一番筋力が必要なく、意外かもしれませんが女性ドライバーも多く活躍されています。長距離ドライバーの働き方についてはこちらの記事も参考になります。「大型長距離ドライバーま何日も家に帰れない?そんなことはありません。」
筋力が必要ない理由は次の通りです。
拠点間輸送や貸し切り便は積み下ろし回数がすくない
長距離ドライバーの主な仕事は、数百キロ離れた企業の拠点間をつなぐ拠点間輸送や貸し切り便がほとんどです。これらの仕事は、お客さんの軒先を回る集配ドライバーと異なり、出発地で1回、到着地で1回の合計2回しか積み下ろしがないことがほとんどです。
労働時間の規制が厳しい為、積み下ろしをさせる余裕がない
トラックドライバーも他の労働者と同様労働時間に制限があります。特に、長距離ドライバーはトラックを運転している時間が非常に長いため、そもそも荷物の積み下ろしをさせている時間が取れず、別途作業員に積み込みをさせることが増えています。
最近では、下請け会社や孫請け会社でも規制に取り組んでおり、傭車運賃を下げてもいいから積み込み作業員を用意してほしいという要請が来るようになりました。
集配ドライバーも筋力はそれほど必要ない
重い荷物はパレタイズされる
長距離ドライバーと違い、集配ドライバーはお客さんの軒先や自社拠点で、荷物の積み下ろしが頻繁に発生します。しかし、まとまった重量物はパレタイズ(パレットに組むこと)され、フォークリフトやハンドリフトで動かす為、筋力は必要ありません。せいぜい10㎏程度の米袋、500mlのビールケースを台車に積める程度の筋力があれば十分対応できます。
パレタイズとは次のようなことを言います。
上の写真のような荷物の下に敷いてリフトで移動できるようにするものをパレットと言います
これの上に荷物を載せて、フォークリフトで移動させます。こんな感じです。↓
フォークリフトがない場合は、「ハンドリフト」という手動のリフトで移動させます。
下半身の持久力が必要
集配ドライバーには、筋力ではなく下半身の持久力が必要です。特に宅配業のドライバーは、個人宅への配達が多いので路上駐車をすることが多く、荷物を抱えて小走りに配達をする必要があります。
アパートの階段を上り下りすることも多いため、下半身の持久力が必要になるケースが多くあります。
トラックドライバーの労働時間は減少傾向にある
トラックドライバーは遅い時間に再配達してくれたり、日曜祝日も配達してくれたりするので、残業が多くて休日も少ないキツイ仕事だと思われがちです。確かに毎日定時で帰れる仕事ではありませんが、改善は進んでいます。
2024年問題を控え残業時間は減少傾向
トラックドライバーの残業時間は年々減少しています。これには2024年4月から開始されるトラックドライバーの残業抑制問題(いわゆる2024年問題)が大きくかかわっています。
2024年問題とは、簡単にいえば「年間の残業時間を960時間以内にしなければならない」というものです。年間250日出勤とすると1日当たり4時間くらいの残業で違反となってしまい、多くの企業で残業減少の為にドライバー確保に努めています。
さらに2024年問題に先立ち2023年4月から、60時間を超える分の残業代は1.5倍の割増で支払わなければならなくなっているため60時間を超えないように残業時間は1日当たり3時間以内をめどにしている会社がほとんどです。
労働時間に不満を持っているドライバーは少ない
このようにトラックドライバーの残業時間は年々減少しています。しかしトラックドライバーから喜ばれているかと言えばそうでもありません。古くからトラックドライバーをしている人たちの中には、できるだけ長い時間を働いて多くの仕事をこなし、時間外手当も多くもらおうとしている方も多く見受けられます。「100時間残業させてもらえるならさせてもらいたい」これがドライバーの正直な気持ちのようです。
ドライバーに「よくそんなに残業してストレスたまらないか?」と聞いてみました。
これに対しては、「一部の急がされる仕事以外はにストレスが無く、体もそれほど使わないし、運転している最中は休憩しているようなもんだから残業は苦じゃないよ」「家に帰ってもすることが無いし、お金がもらえるならずっと残業していたい」という回答が返ってきました。
もちろんトラックドライバーになりたてで緊張しながら運転しているうちはストレスがたまり早く帰りたいかもしれませんが、慣れてくると案外大丈夫なようです。
週休2日制の運送業も増えてきている
私の勤める準大手運送会社では2019年から週休2日制を導入しています。大手運送業についてもほとんどの会社が週休2日制を導入しています。トラックドライバーの休日についてはこちらの記事も参考にしてください。「【誤解です】トラックドライバーは休みが少ない?連休も取れない?」
他の業種と比べた場合でも少なくない
厚生労働省の「令和2年就労条件総合調査」によりますと、労働者1人当たりの平均年間休日数は116日となっています。トラックドライバーのでも概ねこの数字に沿った求人が出されていることが多く、他の職種に比べて休日が少ないとはいえません。
特に、同じくブラック企業といわれる飲食業と比べるとかなり恵まれていると思います。(実際に飲食業の方が面接に来るとおどろかれます。)
大きな会社の方が休日が多く取りやすい
先ほどと同じく、厚生労働省の「令和2年就労条件総合調査」によりますと、企業規模の平均休日日数は下記の通りとなっています。
- 1,000人以上の企業・・・120.1日
- 100人~999人の企業・・115.8日
- 30人~99人の企業・・・109.6日
このように、大企業の方が休日は多い傾向にあり運送業にも当てはまります。
休日が多くても実際には取れないこともある
運送業は多くの人が荷物に携わることにより成り立っている労働集約産業であり、会社を運営する為にはどうしても人手が必要です。
そのため、急な病欠者が出たり退職者が出た場合にはそのほかの人が代わりに仕事をする必要があります。そのため休日として設定されていても出勤せざるを得ない場合が発生します。
この場合でも、大手企業であれば一つの事業所で抱えているドライバーの人数が多いので自分にお鉢が回ってくる確率が下がります。また、そもそも休日日数が多いので、休日出勤をすることによる休日手当も魅力があります。そのため休日出勤をしたがるドライバーが多くて管理者側が困るという事例も頻発しています。
ただ、このような働き方をしてトラックドライバーはストレスを感じていないのでしょうか。高ストレスな仕事では、残業も休日出勤もしたくはないはずです。
トラックドライバーの仕事は意外にストレスが少ない
すべての運送業の業種で全くストレスが少ないと言えばうそになりますし、それぞれの業種によってストレスがかかるのは運送業以外の仕事でも同じことです。ここではストレスの種類ごとに考えてみましょう。
車内で孤独になるストレス
長距離ドライバーは車内に6時間以上一人で乗っている仕事で、配達先や中継のセンターに到着するまで人と会うことはおろか会話することもありません。かつては車内に無線がついていて、ドライバー同志でやりとりしながら運転していた時代もありました。携帯電話の話し放題プランが登場してからはひっきりなしに電話していた人もいました。
しかし現在では、コンプライアンスと安全上の観点から運転中の通話は一切禁止されています。そのため、一度出庫したらよほどのことがない限り人と話すことはなくなります。したがって、人とワイワイしながら仕事がしたい人については長距離ドライバーはストレスがたまるのでやめておいた方がよいでしょう。逆に人間関係がストレスに感じる人についてはもってこいの仕事と言えます。
時間に追われるストレス
集配ドライバーの多くがストレスに感じるのが時間に追われるストレスです。荷物の届け先や集荷先のお客さんはいつもの時間にドライバーが来てくれることを期待しているので、いつもより少し時間が遅れると会社に電話が入り、到着時間を確認されます。お客さんと仲良くなって携帯電話の番号を教えていたりすると直接電話がかかってきます。
大体のお客さんは「道路が混んでいる」「前の集荷先で大量の荷物が出た」等の理由を言えば理解してもらえるのでそこまでストレスに感じる必要はないのですが、それでも問い合わせが入るのはストレスに感じてしまいます。
再配達のストレス
トラックドライバーでおそらく一番ストレスに感じるのが再配達です。集配ドライバーの中でも宅配ドライバーにつきもののストレスです。集配(宅配)ドライバーは1件の集荷・配達をこなしていくらの給料をもらっています。たとえお客さんのところへ荷物を持って行ったとしても不在であれば配達としてカウントされません。受け取ってもらったときのみカウントされるのです。
想像してみてください。団地の5回まで荷物をお米をもって上がったにも関わらず不在であった場合。しかもそれがお客さんの指定した時間通りであった場合。とてもストレスがたまりますよね。
このようなことから、近年「置き配」や「宅配ボックス」の活用が進められ、だんだんとストレスのかからない配達環境になってきています。
悪天候により車内に閉じ込められるストレス
長距離ドライバーは悪天候により高速道路が通行規制されると車内に閉じ込められる時間が長くなります。
数年に1度歩かないかの大雪が降った場合は、通常は8時間程度で目的地に着くところが、4時間、5時間遅れることも普通にあります。目的地に着いたとも、同じように遅れてきたトラックが長蛇の列を作っているので仕事が終わるのがいつもより15時間多くかかったなどということもあります。
これほどまでに遅れることは数年に1度くらいなのですが、ベテランドライバーになると「簡易トイレ」「非常食」「スマホの予備バッテリー」は必ず準備しており、これでかなりストレスは減らせるようです。
このように、トラックドライバーはストレスのかからない仕事とは言えませんが、業界の取り組みや本人の準備でかなり緩和することができるようになっています。
トラックドライバーの休憩時間は法律で決められている
トラックドライバーは休憩を取らずに走りっぱなりしであると思い込んでいる方も多くいるようです。しかし、過労状態でトラックを運転すると居眠り運転や朦朧運転を引き起こす可能性が高くなるため、休憩時間については法律で厳しく定められています。
デジタコの導入で嘘の報告ができなくなった
「法律で定められているだけで実際には守られていないんでしょ」「休憩なんてドライバーの自己申告だからわからないじゃないか」と不信感を持たれるかもしれません。
確かに、かつては休憩の有無はドライバーの申告のみでドライバー手帳に休憩時間を書き込めば、行政からの監査が入った場合でも問題なく通っていました。
しかし、今ではトラックにデジタルタコグラフ(通称デジタコ)が備えられており、トラックの運転時の速度・走行時間・走行距離などの情報をメモリーカード等に記録されるようになっていおり、嘘の報告ができないようになっています。行政の監査時にはこのデジタコを提出する必要があるため、管理者が休憩時間の管理を厳しく行っています。
荷待ち時間を休憩時間としていることは課題
集配ドライバーや貸し切り便ドライバーによくあるのが、配達先での荷待ち時間を休憩時間として計算されることです。法律上は休憩時間は労働者が自由にできる必要があるので、荷待ち時間は休憩時間として扱うことはできません。
貸し切り便ドライバーの場合は荷待ちが長くなると、待った分の時間が残業代として支給されることがありある程度満足できますが(この場合でも休憩をとっていないことになるので違法)、集配ドライバーの場合は、そのあとに複数件の配達・集荷があるために休憩時間が取れないことがあります。管理者側としては、別途休憩をとってほしいのですが、そうすると配達・集荷の件数が減り技能給も減ることになるため、休憩を取らないことが多くなります。
このような事態を解決するため、トラック業界と行政が共同で荷待ち時間解消のための取り組みを始めており、今後の効果が期待されるところです。
いきなりトラックを運転するのはキツイ。でも研修があるから大丈夫!
入社していきなり大きなトラックを運転させられるとしたらさすがにキツイでしょう。しかし、未経験者がいきなりトラックを運転させられることはありません。乗務前に法定研修を受ける必要があるからです。研修について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。「トラックドライバーの研修は超充実!未経験でも安心できる理由を現役指導員が解説」
乗務前の法定研修
法定の初任運転者研修では、座学と実車を用いた乗車指導研修等で15時間、実際にトラックを運転する研修を20時間必要としています。普通免許を取る際の教習時間が、技能31時間・学科26時間であることと比べると法定の研修だけでも結構十分な時間がとられていると言えます。では、法定の研修次のようなことを学びます。
- 座学と実車を用いた研修15時間
- 実際にトラックを運転20時間
私の経験上、大体の人がこの法定研修でトラックを操縦できるようにはなります。しかし、安全に運転できるという訳ではないため、運送会社ごとに個別のカリキュラムで1か月~3か月程度の研修制度を設けていることが多いです。
この研修が終わるころにはすべての応募者が一人前のドライバーになっています。未経験者をいきなりトラックに乗車させてキツイ思いをさせる会社はありませんのでご安心ください。
定年後も続けることはできるが働き方に制限がかかる
トラックドライバーは免許を持っていれば誰でもなれる資格がありますが、誰でもできる仕事ではありません。熟達したドライバーは年をとっても会社が手放そうとはせず定年後も働き続けることができます。私の勤める会社でも、60歳の定年後も働く意志のある方は全員トラックドライバーを続けてもらっています。詳しくはこちらの記事もご覧ください。「【老後の心配なし!】トラックドライバーなら定年後も安心な理由4選!」
長距離ドライバーの定年後
長距離ドライバーはあまり筋力を必要としないため、定年後も続けやすい業務です。しかし健康と疲労の関係から65歳以上の方については、毎日帰ることができるジョイント便か近隣の拠点をぐるぐる回送する便に限って認め、70歳になると降車してもらうことが多くなります。
とはいえ、70歳まで一線級の仕事を続けられる魅力的な業務といえるでしょう。
集配ドライバーの定年後
集配ドライバーは長距離ドライバーと違い、お客様先での荷物の集荷配達があるため、どうしても体力・筋力がある程度必要な仕事となっています。もちろん人によっては70歳まで現役時代と同じ仕事をこなしている方もいらっしゃいますが、大体の方は60歳を機に集荷・配達件数を減らし、65歳からは軽トラックに乗り換えています。
トラックを降りても仕事はある
長距離ドライバー、集配ドライバーどちらにしても認知機能の衰えからトラックに乗れなくなったとしても仕事がなくなるわけではありません。これまに培った荷扱いの技術やフォークリフトの技術は一生使える宝物です。同じ会社で作業員として働くこともできますし、別の会社に行っても運送業経験のあるリフトマンは引く手あまたとなっています。
このようにトラックドライバーは老後も安定した仕事を続けることができます。営業職や事務職ではこうはいきません。
この記事のまとめ
このように、トラックドライバーは他の業種に比べて特に「きつい」という仕事ではありません。私が勤めている会社のことですが、一般事務でデスクワークしか経験のない方でも、半年もしないうちにバリバリ活躍されています。
唯一大きな車を運転するリスクがありますが、これも充実した研修で解決することができます。
皆さんの良い転職のお手伝いができれば幸いです。