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【実は毎日帰ってます】「大型長距離トラック運転手は何日も家に帰れない」「車内で寝泊まりしている」は誤解です。

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大型長距離運転手の仕事とは、一般的に1日あたり600km~800kmの距離を輸送する仕事を言います。

大型長距離運転手はかなり稼ぐことができますが、ネットやツイッターで検索すると家に帰れない等、悪い情報ばかりで心配になっているとおもいます。

この記事は次のようなことを不安に思っている方に向けて書いています。

  • 週に1日しか家に帰れないと聞いたことがある。
  • やっぱりトラックの中で寝泊まりしているのだろうか?
  • 家族の看病が必要だから毎日帰れないものだろうか?
  • 子供が小さいからできるだけ家にいてあげたい。
  • 大型長距離ドライバーになるとどんな働き方になるんだろうか?
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結論から言うと大型長距離トラック運転手でも毎日帰れる仕事もあり、これから増えていきます。

この記事は、運送業界で20年以上の間、労務担当をしている私が日本一詳しく書いています。

現役トラック運転士の方からこれから転職を考えている方まで満足していただける記事となっていますので、ぜひご一読ください。

この記事でわかること

・大型長距離ドライバーは毎日帰れる仕事もある

・大手運送会社では2日に1日は帰れる

・大手運送業では帰れなくても快適

・大型長距離ドライバーの仕事内容

・大型長距離ドライバーが家に帰れないは昔の話

・車内で寝泊まりすることほとんど無い

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現在、従業員が3,000人程度の運送業で採用・労担当の仕事をしています。

詳しいプロフィールはこちらです。

この記事ではトラックドライバーが家に帰れないという誤解を解いていきます。

この記事を読んでトラック運転手も悪くないと思われた方は転職を申し込んでみるのがいいかもしれません。

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長距離運転手が毎日帰れるようになった理由とは?

長距離トラックドライバーが毎日帰れるようになった理由は主に5つあります。

長距離ドライバーが毎日帰れるようになった理由
  • 高速道路網が完成した
  • 労働時間の規制
  • 働き手の意識
  • 人員不足
  • 施設管理コストの削減

高速道路が開通したので帰ってこられるようになった

長距離ドライバーはドライブインで食事して、そこの駐車場で仮眠をとって、また運転を始める。こんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

はっきり言ってこのイメージは昭和50年代までの話です。

私の勤める会社でも、現在70代の先輩の話を聞くと大阪~鹿児島まで下道で2日かけて運行していたようです。

もちろん寝る場所は、トラックの車内です。

仮眠しているも走り続けるために、常に二人一組で運転に当たっていました。

しかし、今では高速道路が開通し、12時間程度で到着するため宿泊することもなくなりました。

労働時間規制が厳しくなった

かつてのトラック運転手は働き放題だった

私が運送業に入社した20年以上前の話になりますが、トラック運転手の時間外労働は実質的には制限が無いようなものでした。

確かに、労働基準法や運輸局の監査により、1か月あたりや1年あたりの上限が設けられていましたが、業界の最大手企業であっても規制を守ってい会社は少なく、野放し状態になっていました。

トラック運転手にしても、働いた分の給料がもらえるので特に不満なく働いていた時代でした。

相次ぐ重大事故により労働時間規制が厳しくなった

働き放題だったトラック運転手ですが、過労により死亡事故などの重大事故が起こる原因となり徐々に締め付けが厳しくなりました。

運送会社も緩かった労働時間管理をしっかりとやらざるを得なくなったのです。

拠点を出発したら4日から5日程度帰ってこないような運行予定を組んでいた便は、軒並み労働時間規制に引っかかるようになったために、運行できなくなりました。

働き手の意識が変わった

大型ドライバー志望者は、家に帰れないことは当たり前で、なんなら家に帰りたくないというような人が多くいました。

しかし、現在は若手で大型ドライバーを志望する人は毎日帰れることを望んでいる人が増えてきています。

毎日帰りたいのであれば、そのような仕事にしなければ働き手がいなくなるので、各社は相次いで毎日帰れる仕事を作っているのです。

長距離運転手の志望者が減少している

前の項目でも説明しましたが、東京~鹿児島などの超長距離路線に関しては、一人では運転し続けられたいので、2人態勢で運行を行っているのが普通でした。

仮眠をしている間もトラックを走らせ続けるためです。

しかし、トラック運転手を志望する人が減少しているため、1台につき2人のドライバーを確保することが難しくなっており、仮眠中にトラックを走らせるためだけに2人目を用意しておく余裕がなくなってきています。

そのため、トラック車内で宿泊するような運行便は減少しています。

施設管理コストの削減

ある程度大きな運送会社になれば全国に支店を展開しており、所属の大型ドライバーは車内伯しなくても会社の宿泊施設を利用していました。

しかし、宿泊するための部屋やお風呂、簡単な食事スペースを維持することは会社経営上のコスト増につながるため、徐々に閉鎖されつつあります。

そのため、宿泊施設が不要な毎日帰れる運行形態を開発しているのです。

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このように、いろいろな理由が積み重なって毎日帰れる仕事が増えています。

大型長距離ドライバーの仕事内容は拠点間輸送と貸切輸送に分かれる

大型長距離ドライバーの仕事は大きく分けて、拠点間輸送と貸切便に分けられます。

拠点間輸送とは路線会社の配送センター間輸送のこと

拠点間輸送とは、大手路線便会社の配送センター間を走る業務です。主に大手路線便会社の自社便や、その関連会社、子会社が業務を行っています。

路線便を利用した場合、大阪で生産された商品が東京で購入される場合でも、大阪のメーカーで集荷をしたトラックがそのまま東京まで走り配達してくれるわけではありません。

路線便の荷物の流れ(大阪で製造した商品を東京で販売する場合)
~18:00 大阪配送センター集配ドライバーの仕事

大阪配送センター所属の集配トラックが大阪で集荷する。

~18:00 大阪配送センター集配ドライバーの仕事

大阪配送センターに持ち帰り、他の荷物と一緒に東京行き大型トラックの前に仕分けされる。

~20:00 大阪センター作業員の仕事

仕分けされた荷物を大型トラックに積み込む。一人でやることもあればドライバーと一緒にすることもある。

~翌5:00 大型長距離ドライバーの仕事

荷物が積まれたトラックを東京センターまで運転する。

~8:00 東京センター作業員の仕事

到着したトラックから新宿区、板橋区等の配達番線へ荷物を振り分ける。

~18:00 東京配送センター集配ドライバーの仕事

番線に仕分けられた荷物を積み込み配達を行う。

大阪で集荷された荷物は、大阪の配送センター(拠点)で他の商品と一緒に大型トラックにつまれ、東京の配送センター(拠点)へと運ばれます。

一つの荷物がいろんな人の手により作業されながら運ばれて行く中で、この大阪配送センター(拠点)から東京配送センター(拠点)への輸送を拠点間輸送といいます

貸切便輸送とは荷主から配達先まで直接届ける輸送方法

貸切便とは、特定の企業の依頼を受けて出荷荷主から配達先まで直接届ける仕事です。急ぎの仕事も多い為、生鮮食品を運ぶ場合は速度制限のない4tトラックを使うことも多くあります。

福岡でいちごを集荷して大阪の市場に配達する場合
18:00

福岡県のJAの倉庫でいちごの積み込みを開始

20:00

積み込みが終わったらすぐに大阪に向けて出発

翌3:00

大阪の市場に到着し荷下ろしを行う

貸切便は路線便とは違い、一つの荷物が一人のドライバーによって運ばれて行きます。一つの荷物でトラックを貸切る為(たまに積み合わせることもありますが)、チャーター便と呼ばれることもあります。

「大型長距離ドライバーは家に帰れない」は昔の話

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大型長距離ドライバーも一部のブラック企業を除いて2日に1日は家に帰ることができます。

拠点間輸送の実際の働き方

拠点間輸送には、相手拠点に乗り入れて相手拠点で一泊する乗り入れ便と、相手拠点から出発した便とトラックを乗り換えて出発拠点に帰ってくるジョイント便があります。

乗り入れ便は2日~3日に一度家に帰れる

相手拠点に乗り入れ宿泊するパターンです。

大阪発~東京着で11月1日に出発した例
【勤務一日目】11月1日 19:00

大阪センターに出勤して出発の準備を行う

11月1日 20:00

大阪センターを出発

11月2日 5:00

東京の拠点に到着、荷下ろしをする

11月2日 ~19:00

拠点に用意されている仮眠室で休息

【勤務二日目】11月2日 19:00 

東京センターに出勤して出発の準備を行う

11月2日 20:00

東京の拠点を出発

11月3日 5:00 

大阪の拠点に到着 

その後帰宅し休日

【勤務3日目】

出勤して出発の準備を行う

以下繰り返しとなります。

この行程を1か月あたり10行程繰り返します。1行程あたり2日ととらえるので、1か月で20日の出勤となります。

ほとんどの路線会社がこの方法で運行しています。2日~3日ごとに帰ってくる計算になります。

ジョイント輸送は毎日家に帰れる

乗り入れ便と異なり、その日のうちに発送拠点に帰ってくる便です。毎日自宅に帰ることができることが利点です。

会社によって呼び名が違いますが、「ジョイント便」「タッチ便」などと呼ばれていることが多いです。

大阪発~浜松でジョイント~大阪帰着の運行例
【勤務一日目】11月1日 19:00

大阪センターに出勤して出発の準備を行う

ジョイント相手も東京センターに出勤して出発の準備を行う

11月1日 20:00

大阪センターを出発        

ジョイント相手の便も東京センターを出発

11月2日 深夜1:00

浜松センター(またはPA)に到着

東京発の便と待ち合わせ

11月2日 深夜1:30

東京センター発の便とトラックを乗り換える

大阪センターに向け出発 

11月2日 6:00

大阪センターに到着 その後帰宅

11月2日 19:00 

出勤して出発の準備を行う 

これを繰り返します。

この行程を1週間で5行程繰り返し、1か月で約20回の出勤となります。

ジョイント便は宿泊施設を用意しなくてもよくなるため、大手運送会社で積極的に取り入れられています。

ドライバーも毎日帰ることができるため、お互いにメリットのある運行方法です。

その他、長距離ドライバーではありませんが、同一県下に複数の拠点を持っている会社の場合、その拠点をぐるぐる回る仕事もあります。

「ローカル便」「社内便」等と呼ばれていることが多いです。この場合でも、毎日家に帰ることができます。

なぜ何日も帰れないと思われているのか?

昔の働き方が続いているという思い込み

高度経済成長期を迎える前の日本は、高速道路が充実していませんでした。

この時代の輸送方法は国道を走るしかなく、私の勤める会社でも大阪~鹿児島間の往復は6日行程で組まれていました。

大阪発~山口あたりで車中泊~鹿児島着(鹿児島で1泊) 鹿児島発~山口あたりで車中泊~大阪帰着という感じです。

しかし、今は高速道路網が発展しているため、このようなことが無くなりました。

一部のブラック企業が悪いイメージを悪化させている

一部のブラック企業では、高速道路の使用が個人負担となっている場合があります。この場合、従業員は少しでも収入を減らさないため、高速道路を使わない傾向にあります。

加えて、復路の仕事が見つからない場合戻ってこれない場合もある為、何日も拘束される場合があります。

現在では、運行車の稼働率を上げた方が儲かるため、このようなことは減ってきていますが、転職の際には気を付ける必要があります。

孫請け企業・ひ孫請け企業のは転々と走らされることが多い

今回例示した働き方は拠点を出発して、同じ拠点に帰ってくるものです。

これは、自社便を持っている会社、または自社便を持っている会社の下請け企業の運行形態です。

孫請け、ひ孫請け会社になると同じ拠点に帰ってくるのが難しい場合があります。

孫請け会社の運行例
【勤務一日目】19:00

大阪センターに出勤して出発の準備を行う

11月1日 20:00

大阪センターを出発

11月2日 5:00

東京の拠点に到着、荷下ろしをする

11月2日 ~19:00

拠点に用意されている仮眠室で休息

【勤務二日目】11月2日 19:00 

東京センターに出勤して出発の準備を行う

11月2日 20:00

東京の拠点を新潟にむけ出発

11月3日 1:00 

新潟の拠点に到着 

荷物を積み替え東京センターに向け出発

11月3日 6:00

東京のセンターに到着して荷下ろしをする。

11月3日 ~19:00

東京のセンターの仮眠室か車内で休息

【勤務3日目】20:00~

東京のセンターで積み込みを行い青森の拠点へ向け出発

このような働き方だと家に帰れるのが4日に一度、最悪の場合月に数日ということもあり得ます。旅が好きな方・経験を積むことが目的の方以外では、おススメできません。

この記事のまとめ

このように、一部の会社を除いて大型長距離ドライバーが何日も家に帰れなかったり、ブラックな労働環境だったりすることはありません。

積極的に転職を視野に入れていきましょう。

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準大手運送業の採用担当者として、年間100名以上の面接を行っています。
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